創刊100周年を迎えた「週刊朝日」。グラビアでは、長い歴史の中で数々の事件を伝えてきた。悲しい大事故が起きた。うれしい奇跡もあった。激動のバブル期。非日常のできごとを思い起こす。「週刊朝日」のグラビアが伝えた1980年代を振り返る。
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◆豊田商事・永野一男会長刺殺(1985年7月5日号)
詐欺商法を展開した豊田商事。報道陣が張り込む永野一男会長宅に2人の男が侵入し、会長を刺殺した。<二人は体中に返り血を浴び、窓から飛び出した。「オイ、早よう警察呼べや。オレが犯人や」>
◆日航ジャンボ機墜落事故(1985年8月30日号)
羽田発大阪行きの日本航空機が、群馬県・御巣鷹に墜落。乗客乗員524人中520人が命を落とした。本誌は奇跡的に助かった4人の救助の模様を詳報した。<救助隊員の呼びかけに、破壊された機体の破片の下に頭をもぐりこませていた少女が、足を必死にバタつかせた>
◆阪神、21年ぶりの優勝(1985年11月1日号)
バース、掛布、岡田のバックスクリーン3連発など、ド派手に打ちまくる猛虎打線の活躍で、阪神が21年ぶりに優勝。<吉田監督は(略)名伯楽になった>と吉田義男監督に焦点を当てた。写真は、11勝19セーブの守護神・中西清起にビールをかけられる様子
◆ダイアナ妃来日(1986年5月23日号)
チャールズ英皇太子とダイアナ妃の来日の模様を、カラーグラビア4ページ、モノクロ8ページで大特集。京都を散策して、<二条城清流園で開かれたガーデンパーティーでは(略)振り袖を試着された>
◆若王子氏、帰還(1987年4月17日号)
フィリピン武装勢力に誘拐された三井物産マニラ支店長の若王子信行さんが、実に137日間の監禁に耐え、無事に帰国。写真は羽田空港に到着後、用意された寝台車に乗り込む姿。会見では「こんなところで死ねるか、と頑張った」
◆美空ひばり死去(1989年7月7日号)
<「女王」美空ひばりさんが二十四日未明、東京の順天堂大学病院で眠るように逝った。(略)再入院したあとも公演計画を発表するなど、「ステージに立ちたい」と最後まで周囲の人に言い続けていた>。
(構成・文/本誌・菊地武顕)
※週刊朝日 2022年3月4日号