旬八青果店の店先に並ぶ商品
旬八青果店の店先に並ぶ商品

 鮮度が命の青果物で、この流通日数を1日に縮めるなど、できるだけ短縮する動きが活発になっているという。鈴木さんによると、首都圏のスーパーやドラッグストアが産直の青果物を並べようとしている。青果物の店舗を構えると、一般的に100種類くらいは品ぞろえが必要になり、このうち産直にできるのが「2~3割が限度」と鈴木さんはみている。

 ネット通販で、大規模に本格的な事業展開をして利益を出しているのがオイシックス・ラ・大地(東京都品川区)。鈴木さんは、オイシックスは農家と直接契約しており、「ここまでくると圧倒的な差別化」と話す。

 青果物を扱う際の差別化は、流通日数の短縮だけでない。「訳あり」で、規格外の青果物。鈴木さんは「不ぞろいだけれど、いい商品が産地にはたくさんある」と話す。

(週刊朝日2022年3月4日号より)
(週刊朝日2022年3月4日号より)

 買い物難民が多いとされる都市部の展開で注目される八百屋は、冒頭で紹介した以外にも、いくつかあると鈴木さんはいう。八百屋とスーパーの違いは商圏という。スーパーなら1キロごと、コンビニエンスストアが500メートルごと、八百屋は300メートルごと。鈴木さんは「限られたお客さんにしっかりと商売をすればリピーターにつながる」と指摘する。

「おいしいものを食べたら、また食べたいと思う。野菜や果物の消費が増えると日本の農業、産地の発展につながる」(藤井さん)

(本誌・浅井秀樹)

週刊朝日  2022年3月4日号

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