オープン戦首位打者にもかかわらず、シーズンではまったく打てなかったのが、17年にDeNA入りしたアウディ・シリアコだ。

 ドミニカ出身のシリアコは、3Aで7年プレーしたあと、16年にBCリーグ(現日本海オセアンリーグ)の石川ミリオンスターズと契約。68試合で打率.322、15本塁打、53打点の好成績を残した。

 同年10月、DeNAの入団テストを受けると、場外弾2本を放ったパワーが高田繁GMの目に留まり、年俸1000万円(推定)で入団が決まった。

 当初はホセ・ロペス、エリアン・エレラに次ぐ第3の野手だったが、キャンプ中に故障したエリアンの代役でオープン戦に出場したところ、3月5日の楽天戦で5打数3安打1打点、同14日の日本ハム戦でも4打数3安打を記録するなど、打率4割5分台と大当たり。その後、調子を落としたものの、最終戦となった同26日の西武戦で1号ソロを含む4打数3安打1打点と復調し、打率.375で見事オープン戦首位打者に。アレックス・ラミレス監督も「今の調子でシーズンを通して1軍にいれば、25本塁打、80打点をマークできる」と期待を膨らませた。

 ところが、3月31日のシーズン開幕戦(ヤクルト戦)で、5番サードに抜擢されたシリアコは、3連戦で9打数1安打とバットが湿り、7番に下がった4月4日の本拠地開幕戦、巨人戦でも3打席連続空振り三振と、目を覆うばかりの打撃不振。ついに同6日、投手のジョー・ウィーランドと入れ替えで2軍落ちとなった。

 その後、6月と8月に1軍再昇格も、27打数2安打0打点、打率.074ではお話にならず、たった1年でお払い箱に。同年、DeNAはシーズン3位からCSを勝ち抜いて“下剋上V”を達成したが、シリアコの存在は、すっかり忘れ去られていた。

 ちなみに同年は、ロッテもアルフレッド・デスパイネに代わる新外国人、ジミー・バラデスが打率.304、1本塁打、5打点、マット・ダフィーが.298、4本塁打、16打点と揃って活躍し、オープン戦勝率1位の立役者になったが、両人ともシーズンではさっぱり打てず(バラデスは打率.219、10本塁打、ダフィーは.201、6本塁打)、チームもまさかの最下位に沈んでいる。

暮らしとモノ班 for promotion
「集中できる環境」整っていますか?子どもの勉強、テレワークにも役立つ環境づくりのコツ
次のページ
優良助っ人はラストイヤーも“OP戦だけ”に…