オープン戦も始まり、ファンにとっては、チームのカギを握る新外国人選手の実力も気になるところだ。
【写真】とにかく “一生懸命”でファンに愛された助っ人といえば
だが、オープン戦でめざましい活躍を見せ、「これはやれそうだ」と喜ぶのは早計だ。過去には、シーズンでは一転期待外れに終わった助っ人も意外に多いのだ。
前年メジャーのオールスターに出場した選手が新助っ人として来日。NPBでは異例の出来事として話題を集めたのが、2013年にソフトバンク入りしたブライアン・ラヘアだ。
カブス時代の前年、メジャー本格デビューをはたしたラヘアは、前半戦で打率.286、14本塁打と活躍し、オールスター初出場をはたしたが、左投手を48打数3安打27三振と打てなかったことがネックとなり、シーズン後、40人枠から外れ、DFAとなった。
しかし、11年に3Aで本塁打王と打点王の二冠を達成したときに巨人と楽天が獲得に動いたように、そのパワーは日本の球団にとって大きな魅力。DFA直後にいち早くソフトバンクが推定年俸450万ドル(約3億7000万円※当時のレート)プラス出来高の2年契約で獲得した。
入団会見で「3割、30本、100打点が目標」と力強く抱負を語ったラヘアは、3月12日のオリックス戦で京セラドームの右翼5階席の手すりをライナーで直撃する推定130メートル弾を放ち、「飛んだね。積極的にいっているのがいい」と秋山幸二監督を喜ばせた。この時点で打率も4割台をキープしていた。
オープン戦最終戦となった3月24日の広島戦でも、ラヘアは右越えソロを含む3打数2安打と開幕に向けて調子を上げ、打率.345、2本塁打、7打点。新4番候補としてほぼ合格ラインの成績を残した。
だが、シーズン開幕後は、16本塁打中、左投手からわずか1本と苦手を克服できず、打率も.230と低迷。「2年目の出番は厳しいだろう」という理由から、もう1年契約を残して寂しく退団となった。
その後は米マイナーや独立リーグでプレーを続け、17年に引退。皮肉にもオールスター出場が野球人生最後の華となった。