【コロンビア】

 2014年大会で初のベスト8進出を成し遂げたメンバーを中心に数年間戦い続け、2021年のコパ・アメリカでは苦しみながらも3位入賞を達成したコロンビア。しかし、現在のチームは危機的な状況に陥っている。

 ブラジルとアルゼンチンがすでに突破を決めた南米予選において、16試合を終えた時点で勝ち点17しか稼ぐことができずにいる。予選直近7試合で勝利から見放され(4分け3敗)、その間は一度もネットを揺らすことができていない。カルロス・ケイロス前監督解任を決断するも状況は相変わらずで、プレーオフ圏内から外れ、7位に甘んじている。残り2試合で、プレーオフ圏内の5位ペルーとは4ポイント差。そのペルーや6位チリとの直接対決も残されておらず、本大会出場への希望は風前の灯火だ。

 その要因の1つに、世代交代がうまくいっていないことが挙げられる。新エースとして期待されたルイス・ディアスも予選では2ゴール、ラダメル・ファルカオの後を担うはずだったドゥヴァン・サパタも1得点にとどまっており、所属するアタランタでの活躍からは程遠い(負傷のため3月の試合は欠場濃厚だ)。チームを活性化させるような勢いのある若手選手も台頭しておらず、今の彼らには閉塞感が漂っている。

 そして、近年エースに君臨していたハメス・ロドリゲスの凋落も多大な影響を及ぼしたことは間違いない。負傷でコンディションを落とした後、ピッチ外での行動ばかりが紙面を踊るようになり、指揮官との衝突もあって1年近く代表から離脱。その間、所属クラブのエヴァートンでも問題が多発し、結局カタールへと去っていった。サッカーへの関心が薄れていることを度々自身のSNSで公言もしている。これまでに見せた輝きを見れば、30歳にして類まれな才能を無駄にしてしまったと言っても過言ではないだろう。

 3月の2試合では勝利が絶対条件であり、かつペルーやチリが勝ち点を落とす必要がある。だが、今の彼らには下位に沈むボリビアやベネズエラとの対戦でも勝利する力があるのかも疑わしい。2大会連続本大会で激突するなど、日本とも因縁深い“ロス・カフェテロス”だが、カタールでその姿を見るのは難しいかもしれない。

(文・三上凌平)

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