国立病院機構の東京病院(清瀬市)の敷地内に、コロナ患者用の80床を持つ臨時医療施設が開設された。この施設は、岸田首相からの要請を受け、第6波に備え昨年から準備が進められたものだが、やっと開設にいたった形だ。しかし、厚労省関係者や専門家からは患者の受け入れについて「極めて消極的な姿勢」「信じられない対応」と問題視する声があがっている。
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「国立病院機構の臨時医療施設のプレハブがようやく完成したようです。ひっそりとオープンしました」
こういうのは厚労省関係者だ。国立病院機構(NHO)では、昨年から第6波の感染拡大に備え、東京病院の施設内に、臨時医療施設の建設に向けて動いてきた。しかし、AERAdot.が特報した(リンク)ように、今年1月から始まった第6波の感染拡大には間に合わず。現在になってやっと開設となった形だ。
ようやくできた臨時医療施設だが、NHOや東京病院のホームページを見ても、開設の情報は確認できなかった。報道でも見つけることができず。まさにひっそりとオープンしたようだ。
コロナ対応の消極的な姿勢が指摘されてきたNHOだが、今回の臨時医療施設でも不十分な対応が目立つという。厚労省関係者はこう語る。
「この臨時医療施設の開設は、厚労省が設置の指示を出したのに対しNHOが『運用面での難色』を示してなかなか開設の調整が進まなかった経緯があります。その後、きちんと設備を整えてオープンにこぎつけたものの、今度は患者受け入れに極めて消極的になっています」
患者受け入れ条件として、高齢患者の日常生活自立度レベルB2程度、介護が必要な患者は要介護度1までなど比較的健康な高齢患者以外は受け入れない運用になっている。また、妊婦は受け入れ不可、アレルギーへの対応も不可となっている。
さらには、血中酸素飽和度が93%以下、つまり、酸素吸入が必要な中等症II以上の患者は受け入れない。14歳以下の患者は受け入れない。患者の受け入れ時間についても、17時15分までに受け入れ調整がなされ、20時までに搬送される患者でなければ受け入れしないとなっている。厚労省関係者はこう憤る。