フェルトの猫はヤタローより小さいけど、そばにいるだけで、心が落ち着くのです。息子の友達も「ヤタローが帰ってきてるね」と言ってくれて、息子もたまに「こんなことがあったよ」とフェルトのヤタローに話しかけていたっけ……。
ヤタローが旅立って1年4カ月経ちます。
今は保護施設から引き取った子猫もいて家は賑やか。自分の気持ちも落ち着いてきたけど、すごくヤタローに会いたくなることがあります。ヤタローと過ごした9年は、中身が濃くてやっぱり特別なんです。
来春には息子も大学に進学し、家を出ます。それまでに、生まれ変わったヤタローに会えないかな。そんな思いから、ついつい家の裏口を覗いてしまうんです。ヤタローがふらっと、帰ってくるような気がしています。いつかまた巡り合えますように。
(水野マルコ)
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「猫をたずねて三千里」は猫好きの読者とともに作り上げる連載です。編集部と一緒にあなたの飼い猫のストーリーを紡ぎませんか? 2匹の猫のお母さんでもある、ペット取材歴25年の水野マルコ記者が飼い主さんから話を聞いて、飼い主さんの目で、猫との出会いから今までの物語をつづります。虹の橋を渡った子のお話も大歓迎です。ぜひ、あなたと猫の物語を教えてください。記事中、飼い主さんの名前は仮名でもOKす。飼い猫の簡単な紹介、お住まいの地域(都道府県)とともにこちらに連絡ください。nekosanzenri@asahi.com