土佐兄弟(撮影/中西正男)
土佐兄弟(撮影/中西正男)

 コンビでいたら、割とお兄ちゃんの方がいじられて、僕は横にいるというパターンが多かったりもしたんです。でも、初めての場で一人でいることによって、改めて自分の色を再認識するというか。人見知りだと思っていたら、意外とそうでもないのかなとも思ったり。

 卓也:だからね、僕もびっくりしたんですよ。僕らがやってるラジオに「DCU」に出演されている高橋光臣さんがゲストで来てくださって、そこで僕が「有輝って、現場でどうですか」と尋ねたんです。
 
 僕はてっきり門外漢として萎縮じゃないですけど小さくなってるのかなと思っていたら、高橋さんが「素晴らしいです!常に現場の空気を明るくしてくれて、120点の振る舞いをしてくれています。阿部寛さんがこんなに現場で楽しそうにしているのを見たことがないです」と言ってくださるんですよ。本当ですかと。一流の役者さんからそんな言葉をもらうなんて、わが弟ながら純粋にすごいなと思いました。

 僕が横で見ていて思うのは、余裕が出たなと。新しい分野で皆さんにお世話になりながら、何とかやれているという自信なのかもしれませんけど、コンビでやっていて、これまでならうろたえていたであろう局面でたじろがなくなったというか。

 これって、すごく微妙なところなので、コンビだから分かる部分なのかもしれませんけど、そこの余裕は感じますね。

 有輝:本当に貴重な経験をさせてもらっているなと思っています。今は僕もドラマに出してもらっていますし、お兄ちゃんもピンでの仕事が増えている。個々の得意分野で勝負させてもらえているのは本当にありがたいですし、今年はできる限り自分の得意ジャンルだけを互いに伸ばしていけたらなとも思っているんです。

 いろいろと考える中で、なんというか、無理して負け戦に飛び込んでいく必要はないんじゃないかと思うようになってきたんです。

 卓也:去年あたりまでは「M-1グランプリ」で結果を出そうとか、その方向のこともしっかりと考えていたんです。ただ、いま一度考えた時に「オレらって何で世の中に出ることができたんだろう」となって、それは漫才でもないし、コントで賞を取ったことでもない。

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有輝「王道でないことがコンプレックスだった」