SNSにショート動画をアップして、それで知ってもらった。そんな今までにはあまりない形で出てくることができた。だったら、そこをもっと突き詰める。これまでの概念にはなかった道かもしれないけど、そこをさらに切り開いていく。それが自分たちが進む道なのかなと思うようになっていったんです。
有輝:その結果、それがまた漫才やコントという道につながっていったら、そこでまた勝負することにもなると思うんですけど、無理してそちらに走っていくことはないのかなと。
卓也:自分らの強みを最大限に伸ばして、そこで見えてきた道をまた進む。それをやりきろうと思っているというか。
これまで芸人が世に出る方法は賞レースで結果を出す。ほぼこの一択だったと思うんです。でも、自分たちはそうではない形で今のところまで来させてもらった。だったら、その道をもっと開墾していこうと。
有輝:正直な話、いわゆる王道から来ていないというのが今までコンプレックスだった部分もあるんです。「お前ら、そこの山を登って来ていないじゃないか」と見られるという。
でも、これまでの道を歩んできたからこそ、今ドラマのお仕事もいただけているし、だったら突き進んでみたいなと思っているんです。
卓也:やっぱり前例がなかったというのが大きいと思います。お手本となるパターンは漫才やコントを頑張っている方々でしたから、どうしてもそちらに目がいくんですけど、もう自分たちはこうだと腹をくくろうと。それが今の自分たちだと思います。
有輝:ウチの事務所の社長さんが「人の魅力は欠点の裏側にある」と言っていて、最初は「……あ、はい」みたいなナマ返事をしてたんです(笑)。でも、なんとなく分かってきたというか。今は「オレたちはこれを命かけてやってます」と自信を持って言えるようになりました。(中西正男)
■土佐兄弟(とさきょうだい)
1987年9月28日生まれの土佐卓也と94年12月15日生まれの土佐有輝の兄弟コンビ。東京都出身。卓也が大学卒業後に勤めていた会社を辞め、有輝に声をかけて2013年、ワタナベコメディスクールに18期生として入学。14年からワタナベエンターテインメントに所属。19年、有輝が演じる「高校生あるある」動画がTikTokを中心に大ヒット。YouTubeチャンネル「土佐兄弟の青春チャンネル」は登録者数46万人。テレビ朝日「あるある土佐カンパニー」、文化放送「土佐兄弟のCultureZ」などに出演中。有輝はTBSドラマ「DCU Deep Crime Unit~手錠を持ったダイバー~」に出演している。