金正恩・朝鮮労働党委員長(当時)は妻の李雪主氏とともに平壌国際空港で文在寅・韓国大統領夫妻を出迎えた/2018年9月18日、平壌(photo:gettyimages)
金正恩・朝鮮労働党委員長(当時)は妻の李雪主氏とともに平壌国際空港で文在寅・韓国大統領夫妻を出迎えた/2018年9月18日、平壌(photo:gettyimages)

 ただ、申氏は「新政権が、日本企業の財産の現金化が実現しないよう代位弁済などの方法を優先的に模索し、解決するにはある程度の時間がかかる。それまで、両国間の協力が可能な分野を進展させ、信頼を回復することで、この問題の解決に肯定的な雰囲気をつくり出す必要がある」と語る。

 李氏も「尹氏は、大統領に就任する前から、日本との関係改善のための努力に傾注するだろう。日本も、韓国が満足できる解決策を持ってくるまで待つのではなく、初期段階から両者の信頼構築のため、韓国側の働きかけに肯定的に応じてほしい」とし、尹氏と岸田首相との間に信頼関係が結ばれるかが、関係改善の鍵になるとの見方を示す。(朝日新聞記者・牧野愛博)

AERA 2022年3月21日号より抜粋