身長185cmという恵まれた体から投げ込む最速151キロ(当時)の速球は高校生離れしておりプロでも早い段階で活躍できると言われていた。しかし故障の危険性もあると判断し、指名を回避した球団もあった。そして、プロ1年目に行われた年明けの新人合同自主トレで右肘に違和感を覚え、4月にトミー・ジョン手術(右肘の靱帯再建手術)を受けることとなった。
「結果論だが故障してしまった。加えて(同じ年に入団した)ドラフト2位の太田龍(社会人・JR東日本)も同様に新人合同自主トレでコンディション不良を露呈した。編成部門に疑問の声が上がったのは事実。長谷川スカウト部長を含めた大幅配置転換につながったとも言われています」(巨人担当記者)
とはいえ、日本では若手投手がキャリアの早い段階でトミー・ジョン手術を受けることは稀だが、メジャーリーグではプロ入り直後に手術を受ける選手も少なくない。当時、入団直後の堀田がトミー・ジョン手術を受けるということで「編成部門の失態」ばかりがクローズアップされたが、手術に踏み切ったことは今の堀田の状況を考えると英断とも言える。
「トミー・ジョン手術の成功率は高く、年齢的にも若い方が回復、治癒力が高いのは明らか。新人年に肘にメスを入れたということは球団は可能性を感じているから。その後の様子を見ても順調に進んでいる感じがする」(在京球団編成担当)
手術を受けたオフには育成契約となったが、その後は地道なリハビリを続け 、昨年8月31日には慶応大とのプロ・アマ交流戦でプロ入り後初の実戦初登板を果たす。手術前と変わらぬ球威も戻り、今春のキャンプは1軍に帯同。紅白戦を含めた実戦5試合で9回を6安打、1失点と好投し、3月11日に再び支配下登録された。「将来のエース候補ですから」と桑田真澄投手コーチの評価も高い。
手術という想定外はあったが、ドラフト指名後に本人が「プロ野球選手として1年間戦っていける体ではないので、体作りからしていきたいです」と語っていたように結果的にはプロ2年間は体作りに費やせた。