ビジュアルが美しいだけでなく、食材の組み合わせやもち米に混ぜ込むものが考えつくされて、どれも絶妙な味わいだ。
「その日入った食材を使い、味やデザインを工夫して新しいおはぎをどんどん作ってきました。そうそう、日替わり定食みたいなものですよね。作るのはおはぎですが、街の小さな定食屋さんのような存在を目指していきたいです」(同)
あんこの本場、名古屋で17年に専門店を出した「OHAGI3(おはぎさん)」も今では全国展開をしている。
■奥深さに魅了される
みたらしやココナツなど、ユニークな一口大の無添加おはぎが人気のほか、今年1月にオープンした東京・下北沢店では、クマやカエルの形をした「動物おはぎ」も限定販売している。イートインも可能で、女子高生たちが和んでいた。
「古くからあったというおはぎ文化を再認識しようと始めた専門店。甘くて重いイメージのあったおはぎですが、糖度を下げたほか、サイズも小さくして、かわいいスイーツに仕上げました」(ホリデイズ広報担当者)
この2月、東京おはぎシーンにパティシエからの参入もあった。海外のキャリアと和菓子店での経験をあわせもつ松岡誠也さんが作る商品を出す「松也─MATSUNARI─」だ。
「ご飯とあんこというシンプルな構成ながら、おはぎには奥深い世界がある。アレンジも行きすぎるとおはぎらしさがなくなってしまうので、米の炊き方やあんこの口当たりなどを商品によって変えるなどして勝負しようと、作り上げた商品です」(同店をプロデュースしたイートクリエーター広報部)
例えば甘酸っぱさに氷餅がアクセントとなった「いちご」は一番の人気商品。イートインもできる。
おはぎ好きが高じて、広告会社の社員から、昨年1月、東京・神楽坂に「おはぎと大福」を開いたのは立原則明さん(50)。店名に大福の文字も見えるが、おはぎの専門店だ。
■愛でて美味しくなる
「好みはもち米をあまりつぶさないタイプ。手作りして友人に振る舞っていたら好評だったんです。会社を辞めて自分で店を出すことにしました」(立原さん)