フィギュアスケートの世界選手権が3月23日、フランス・モンペリエで始まる。2月の北京冬季五輪の女子銅メダリスト・坂本花織に単独インタビューを行い、抱負などを聞いた。AERA 2022年3月28日号の記事を紹介する。
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――北京五輪女子銅メダリストの坂本花織(21)にとって、23日に幕を開ける世界選手権は3回目の出場となる。2019年大会は5位、21年大会は6位だった。
坂本花織(以下、坂本):過去2回出ていて、不完全燃焼で終わっているんです。そろそろ「やりきった」っていう感じで終わりたい。北京五輪と同じでもう一回、ショート(プログラム)とフリー、ノーミスでいい結果を残したいです。
大きな試合の後って気持ちがマイナスな方向に働いちゃって、曲をかけて滑るとしんどい気持ちが勝ってジャンプが崩れたり、体力が続かなかったりと支障があるんです。北京のときは感情全部が「うれしい~!」って感じやったけど、今は9割きつい。でも、ずっと続くわけじゃないし、今はミリ単位の成長でいいやって。昨日の自分よりちょっとだけ今日は頑張ろうって思って踏ん張っています。
自分の泣き顔に爆笑
――北京五輪では自己ベストの合計233.13点をマーク。日本女子として10年バンクーバー五輪の浅田真央以来、12年ぶり4人目の表彰台に立った。3位以内の選手が入るグリーンルームでは泣き崩れる姿も話題に。その坂本に寄り添ったのが、ロシア・オリンピック委員会(ROC)のアンナ・シェルバコワ(17)だった。
坂本:驚きでうれしさがキャパオーバーしました。それが涙になって。シェルバコワ選手が優勝だっていうのはわかっていたので「おめでとう」と伝えたんです。
でも、そのとき自分の順位は把握できていなくて。いつも通りなら(ROC勢が上位3人を占め)4位になると思っていたので、後々見たら3位で泣き崩れました。そのとき誰かがポンポンと肩をたたいて「おめでとう」って言ってくれたんですけど、誰かわからなくて。後で映像を見たら、シェルバコワ選手だった。優しい子やなと思ったし、すっごいうれしかったです。(コーチの)中野(園子)先生とも今までにないくらい熱いハグをしました。
五輪から帰ってきて、家族が録画してくれた五輪特集とかを見たら、泣いてる動画、ぶっさいくと思って。この顔何!?ってお姉ちゃんと爆笑。ぐしゃあってつぶれる顔が自分的にツボで。