忖度などどこ吹く風のヒールとして存在感をみせるお笑いコンビ「コロコロチキチキペッパーズ」のナダルさん(37)。数々のクズエピソードを持つモンスター芸人として認知されていますが、先月、著書「いい人でいる必要なんてない」を出版しました。モンスター芸人はいかにして生まれ、今、何を考えるのか。胸の内を吐露しました。
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最初、編集者さんからお話をいただいて、こんなん言うのもアレですけど「本か…、面倒くさいな」という思いも正直あったんです(笑)。
でも、せっかくのお話ですから、やらせてもらうことにしました。そして、結果的には今回本を出したことで得たものがたくさんあったと今は感じています。
去年の夏頃にお話をいただいて「とにかく考えていることを全部出してほしい」と言われたんですけど、これはなかなか難しいことやなと思いました。
というのは、芸人と人間、二つの感覚がありますからね。テレビに映っているようなナダルのままフルスロットルで生きてたら、とっくに捕まってるでしょうし(笑)。でも、そこもウソではないし。心底イタい自分もいるし、それを冷静に見ている自分もいるし。
矛盾してるやないかというところも多々あるんですけど、矛盾があることこそ本当というか。人間ってそんな一本調子じゃないですし、多面体というか何面体あるのか分からないところもリアルだろうし、そんな思いで両方出しながら書いてみました。
あと、お話をいただいた時期も本当に良かったと思います。自分の中で“種明かし”が必要なのかなと思っていたタイミングでもあったんです。
テレビでは奇人ぶりが出ているところの“瞬間最大風速”だけを集めて放送されます。当然それが面白いし、僕もそれありきで出してもらっているんですけど、番組を見てくださっている方はどうしても「ナダルは常にこんな人間」と思うようになる。
でも、一方でYouTubeチャンネルも26万人ほどの方々に登録していただくようになり、そこでは週5日、普通の感覚というか、テレビでの極悪人ではない感じでしゃべっている。となると、結局どっちがホンマなんやと。