しかし、日本国内では再生可能エネルギーの供給が足りない。一方、技術革新により、太陽光も風力も火力発電や原発よりも安価になり、蓄電池の価格低下も凄まじい。再エネと蓄電池の組み合わせで安定的電力システムを作れることが世界各地で実証されている。
再エネの立地では、沖縄には優位性がある。すぐお隣の台湾では、大規模洋上風力プロジェクトが目白押しで、世界中から関連企業が集結する。沖縄は、再エネ普及では遅れている。台湾にできて沖縄にできないのは、日本政府が真剣に沖縄経済の振興策を考えていないことが原因だ。
沖縄の基地問題に取り組む専門家は、沖縄の問題に対する国民の関心が非常に低くなってしまったことを嘆いていた。数年前まで、基地問題などで沖縄からSNSで発信すると、大きな反響があったが、今は、その数分の一しかないという。
沖縄県民不在のまま『沖縄を守る』議論が進む矛盾。77年前にウクライナと同様の悲劇を経験し、その後も理不尽な基地の負担に苦しめられる沖縄の人々のことを今こそもう一度真剣に考える時なのではないだろうか。
※週刊朝日 2022年4月8日号