今どきの若者には珍しく、ゲームは全くしない。元々映画を観るのは大好きなのだが、コロナの影響もあり、ここ2年は積極的に本も読むようになった。
「近い人から、『役者は、自分が持っているものだけで勝負できない。自分の経験だけでは、立ち向かえない感情があって、それを少しでも理解するためには、本を読んだりしながら、自分の引き出しを増やしていかないと』とアドバイスをいただいたことがあって。読書は苦手でしたが、自分に鞭打って、半強制的に読み始めたら、いつの間にか習慣になっていた。一冊読み終わると次の本、となるんです。非日常感に浸れるからSFなんかも好きですが、最近は、しょっちゅうメールをする友人から、ノンフィクション作家が落合博満監督のことを書いた『嫌われた監督』という本をぜひ読んだほうがいいと薦められました。彼のお薦めは絶対に面白いとわかっているし、僕は野球も好きなので、これは早く読まないと(笑)」
(菊地陽子、構成/長沢明)
井之脇海(いのわき・かい)/1995年生まれ。神奈川県出身。2008年、映画「トウキョウソナタ」で複数の映画祭で新人賞を受賞。18年、脚本・主演も務めた初監督映画「3Words 言葉のいらない愛」が第68回カンヌ国際映画祭ショートフィルムコーナー部門に入選。4月スタートのNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」に出演。現在、出演映画「猫は逃げた」が公開中。公開待機作に「とんび」(4月8日公開)がある。
※週刊朝日 2022年4月8日号