タダでカレーを食べ続けたら、停職処分。下手すれば、年金や退職金までも影響――。
防衛省は青森県むつ市の海上自衛隊、大湊地方総監部所属の、幹部自衛官(54)ら男女4人を4日から5日の停職処分にしたと、3月28日に発表した。毎週金曜日のランチに食堂で出されるカレーを無料で食べる資格がないのに、代金を払わなかったというもの。
4人のうち、40歳代の防衛事務官(現在は京都府舞鶴市、海上自衛隊第23航空隊に所属)は2017年4月から2019年3月までの2年間の毎週金曜日のランチに出される、カレーを食べていたという。大湊地方総監部の広報担当者がこう話す。
「食事を無料で食べられるのは、船に乗っている隊員。陸上勤務だと独身者です。既婚者や幹部自衛官はお金を払わないと食べられません。40歳代の事務官の場合は、係長クラスですから無料の対象者ではありませんでした。金曜日のカレーは定番でそれを知っていて食べていた」
事務官は「味見」として、毎週金曜日のランチだけ、お金を払わずに食べていた。全国の海上自衛隊では、毎週金曜日にカレーが出される習慣があり、おいしいことでも有名だ。
<海上自衛隊カレーの秘密>というホームページなどによると
日本海軍はイギリス式の兵式を採用していた。
兵食と呼ばれる、食事にはイギリス海軍で採用されていたカレーが<「栄養豊富」「大量調理が容易」「美味」と三拍子揃った大変優秀なレシピでした。特に、スパイス(生薬)を贅沢に使用したカレーは、医学的見地からも有用なレシピといえ「寒さ暑さに対する適応力の向上」、「新陳代謝の促進」などの健康効果が期待できました>と採用された。
青森県むつ市では、大湊地方総監部から直々に伝授された「大湊海自カレー」を町の飲食店で提供。町おこしにつなげているほど、市民にも根付いている。