
コンフィデンスかリーガルか。「信用」と「法律」のせめぎ合い。
ちなみに「コンフィデンスマン~」も「リーガル~」も、脚本は古沢良太。まず初めに古沢良太を呼ばないと! なんせ肝心の詐欺の仕掛けが非常にシンプルだ。地主に成りすまして土地を売るとか、ただ結婚詐欺とか。
堺雅人で結婚詐欺なら、以前演じたクヒオ大佐(アメリカ空軍のパイロットでカメハメハ大王やエリザベス女王の親戚と名乗る詐欺師・実話)くらいの大盤振る舞い期待しちゃうから。
かつて古沢良太は「コンフィデンスマン~」の脚本についてこう語っていた。「『ルパン三世』のように、変装した人の顔がベリベリッてはがれて『実は私でした』って正体明かすのは、最初にやらないと決めました」
ベリベリしちゃったんだよなぁ、本作。生瀬勝久が顔ベリベリすると、その正体は伝説の詐欺師「百面のジョー」とやら(真実の顔は誰だかわからない設定)。
そういうとこじゃないのか、日本テレビ。視聴者を気持ちよく騙すベリベリしない詐欺テクニック。うざい、うざくないスレスレのはしゃぎ方。詐欺師としてはフジテレビの方が上ですか?
カトリーヌあやこ/漫画家&TVウォッチャー。「週刊ザテレビジョン」でイラストコラム「すちゃらかTV!」を連載中。著書にフィギュアスケートルポ漫画「フィギュアおばかさん」(新書館)など
※週刊朝日 2022年4月15日号