日本航空石川・内藤鵬(写真提供・プロアマ野球研究所 PABB)
日本航空石川・内藤鵬(写真提供・プロアマ野球研究所 PABB)

 近年好素材が多く輩出されている東北では田村朋輝(酒田南)が面白い。旧チームからエースとなり、昨年秋には最速149キロもマークしている。県大会優勝を果たした後に臨んだ東北大会では初戦で八戸工大一に0対7とまさかのコールド負けを喫し、この試合での最速は142キロにとどまったが、それでも時折目を見張るようなボールがあったことは確かである。変化球も130キロ前後でブレーキの鋭いフォークで空振りを奪えるのが長所だ。秋の時点では182cm、70kgと見るからに細かっただけに、筋肉量が増えてくればまだまだスピードアップも期待できる。この春以降、どこまで体ができてきているかに注目だ。

 その他の投手では最速149キロサウスポーの門別啓人(東海大札幌)や昨年夏の甲子園で1イニングの登板ながら最速148キロをマークした武元一輝(智弁和歌山)、191cmの大型右腕でスケール抜群の白浜快起(飯塚)なども大化けの期待がかかる。

 一方の野手では昨年夏の甲子園でもホームランを放った浅野翔吾(高松商・外野手)が高い評価を得ているが、同じ右の強打者タイプでは内藤鵬(日本航空石川)も打者としてのスケールは負けていない。180cm、100kgの巨漢だが、決して力任せではなくスイングに柔らかさがあり、バットに乗せるようにして遠くへ飛ばすことができる。1年秋に北信越大会では2試合で7打数5安打(二塁打2本)と打ちまくり、2年春の県大会では5試合で5本のホームランも放っている。投手も務めるだけあって肩の強さもあり、近年では貴重な強打のサードとして注目だ。

 プロから需要の高いショートでは渡辺礼(帝京)、宇地原丈智(岡山学芸館)に注目が集まる。渡辺はタイミングのとり方に余裕があり、ボールの呼び込み方が上手く、広角に鋭い打球を放つバッティングが持ち味だ。今月11日に行われた春季東京都大会の対早稲田実戦ではスリーベースとツーベースを含む4打数4安打4打点の大暴れで、視察したスカウト陣に強烈にアピールした。フットワークには少し課題が残るものの、ハンドリングと正確なスローイングも長所だ。

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