92年には天皇賞(春)でメジロマックイーンの2着だったカミノクレッセが次走に距離が半分となる安田記念を選び、ここでもヤマニンゼファーの2着。さらに芝2200メートルの宝塚記念でもメジロパーマーの2着と、距離を問わない善戦マンぶりを発揮した。

 そのヤマニンゼファーも安田記念を11番人気で勝つまでは、4勝全てがダート1200メートル。だが覚醒後は翌93年に安田記念を連覇すると、芝2000メートルの天皇賞(秋)も勝っている。

 三冠馬ナリタブライアンと同期の女傑ヒシアマゾンは、93年に芝1600メートルのG1阪神3歳牝馬ステークス(現阪神ジュベナイルフィリーズ)を勝ち、翌年は芝1200メートルのG3クリスタルカップや芝2200メートルのG1エリザベス女王杯を制した。

 最近では、15年春から翌16年春までに安田記念、マイルチャンピオンシップ、香港マイル、チャンピオンズマイルと芝1600メートルで4連勝し、その秋には芝2000メートルの天皇賞(秋)と香港カップも連勝したモーリスが、デビュー勝ちは芝1400メートルだった。

 そのモーリスの産駒で、オーストラリアでデビューしたヒトツは昨年から芝2500メートルのヴィクトリアダービー、芝1600メートルのオーストラリアンギニー、芝2400メートルのオーストラリアンダービーを史上初めて3連勝する偉業を達成。今年後半は芝3200メートルのメルボルンカップ挑戦の可能性がある一方でジャパンカップ参戦も取りざたされており、その動向には注目しておきたい。(文・杉山貴宏)

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