迷子犬を救う仕組みとして犬の個体識別のために開発された鼻紋認証アプリ。コロナ禍でペットを飼う人が増える中、“うちの子”をもっと知りたいという飼い主のニーズとマッチしている。AERA2022年4月25日号から。
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犬の心拍から感情分析を行うイヌパシー。このデバイスで注目なのは、毛の上からでも心拍を音で検知できるセンサー。日米で特許を取得している独自技術で、さらに検知した心拍の変動から自律神経の活性状態を推測する解析技術でも特許を持っている。大手メーカーで携帯電話の開発に携わってきた開発者がハードウェアの開発に携わるほか、ラングレスCTOの山口譲二さんは大学院で動物行動学を専攻しその後プログラマーとして働いた経験を持つ。
「センシングしたバイタルデータから言葉を話せない動物の気持ちを推測するウェアラブルデバイスの市場は今後もっと伸びてくるでしょう」
と、話すのは同社CEOの山入端佳那さん。
その言葉通り、ラスベガスで今年行われた世界最大級の家庭用エレクトロニクス分野の見本市「CES 2022」では、フランスの会社Invoxiaの犬用スマート首輪がイノベーションアワードを受賞した。同商品はGPSで位置情報がわかったり、バイタルから健康状態を測ったりできるというものだ。
イヌパシーでは今後は感情分析だけでなく、検知した心雑音などから心疾患の予防や治療につなげるといった展開も見据えているという。
最後に猫用のプロダクトも紹介したい。
これまで累計1万4千匹の猫ちゃんが使ったという大人気トイレがカメラ付き猫トイレ「トレッタ」。トイレ本体に付くカメラで猫の顔識別をし、さらにトイレ下部にセンサープレートを搭載、猫がトイレに入るたびに体重と尿量を計測する。それらのデータを飼い主はスマホアプリから確認でき、変化が一目でわかるほか、体調のチェック結果を反映したメッセージが毎日届く。