違う学年の生徒とも同じグループになるので、普段は接することのない、異なる集団の中で自分の意見を話す絶好の経験になるのだという。

「答えがないからこその即興的で自由な意見交換は、医学部受験の鍵となる面接にもつながります」(同)

 医学部の志望者は高校2年のときから、大学の授業履修のように自分に必要な教科やカリキュラムを選ぶ。集団面接対策も複数回行い、本番さながらに議論して教師が講評することを繰り返す。行き届いた受験生へのケアが医学部合格の実績につながっている。

 前出の鈴村さんは、上位の女子高の生徒の間で、医学部志向は続くと見る。

「不景気が長く続くなかでも、医師という職業は必要だろうという安心感に加えて、資格があれば子どもを産んでも生涯働き続けられるイメージから、人気は高止まりでしょう」

数値は高校へのアンケートを基にした速報値のため、今後変動することがある。アンケートは合格実績のある学校へ本誌とサンデー毎日、大学通信が合同で実施した。総合型・学校推薦型選抜などの合格者を含む(3月31日現在判明分)。未回答・非公表は掲載していない。現役合格者数を、基準にランキングした。 協力・大学通信 (週刊朝日2022年4月29日号より)

(本誌・秦正理)

週刊朝日  2022年4月29日号

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