違う学年の生徒とも同じグループになるので、普段は接することのない、異なる集団の中で自分の意見を話す絶好の経験になるのだという。
「答えがないからこその即興的で自由な意見交換は、医学部受験の鍵となる面接にもつながります」(同)
医学部の志望者は高校2年のときから、大学の授業履修のように自分に必要な教科やカリキュラムを選ぶ。集団面接対策も複数回行い、本番さながらに議論して教師が講評することを繰り返す。行き届いた受験生へのケアが医学部合格の実績につながっている。
前出の鈴村さんは、上位の女子高の生徒の間で、医学部志向は続くと見る。
「不景気が長く続くなかでも、医師という職業は必要だろうという安心感に加えて、資格があれば子どもを産んでも生涯働き続けられるイメージから、人気は高止まりでしょう」

(本誌・秦正理)
※週刊朝日 2022年4月29日号