飲食店の客が、店員のミスや接客への不満をSNSなどに投稿する事例が続いている。投稿内容が肯定的に受け取られることもあれば、書き方によっては「やり過ぎだ」との批判を受ける場合もある。SNSが発達し、個人が飲食店を自由に評価できる時代だが、こうした「さらし行為」ともとれる投稿について店側はどう思っているのか。店側の本音を聞くとともに、投稿に法的問題はないのかを弁護士に聞いた。
【写真】昨年11月、SNSに商品間違いをさらして炎上した人気タレント
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昨年11月、芸能人が「Uber Eats(ウーバーイーツ)」で海鮮丼を注文したところ、メニュー写真と全く違うものが届いたとインスタグラムで公開した。後日、店側がミスで別の商品を作ってしまったことが判明したが、ハッシュタグに店名を入れたため、「店までさらすのはやりすぎではないか」「SNSに書く前に店にまず連絡するべきだ」などと批判された。最近では、牛丼チェーンのお茶に虫が入っていたと客が写真入りで客がツイートしたことで騒動となり、店側が謝罪する事態になった。また、同行者のマスク着用をめぐって店と有名人がトラブルになり、有名人がその経緯をSNSに投稿。その後、店に中傷が殺到し休業に追いこまれたケースもあった。
店側のミスや落ち度、接客への不満をSNSなどに投稿する事例はずっと続いており、理解を示す声もあれば、批判的に受け取られることもある。
では、書かれた店側の本音はどうなのか。
過去にSNSで「さらし行為」をされた飲食店チェーンの担当者は「個々のお客さまのSNS投稿に対して見解を述べる立場にはございません」と具体的な回答を控える一方で、こう本音を漏らす。
「仮にミスなどについて、こういう内容の投稿は控えてほしいという願いがあったとしても、それを公に表現した場合、さらなる炎上につながらないでしょうか……。ミスをしたのはこちらではありますので……」
投稿を「やめてほしい」とは言いづらい本音があるようだが、事実ではない投稿をされるケースもある。