コロナ禍でも心臓病やがんなど、コロナ以外の病気に罹患する人はおり、手術を必要とする患者も多い。週刊朝日ムック「手術数でわかるいい病院2022」では、全国の病院に対して独自に調査を実施し、回答結果をもとに手術数の多い病院のランキングを掲載している。今回の調査は、コロナの感染が拡大した2020年の手術数を集計した。2020年の心臓病の心カテーテル治療数が全国13位(関東6位)、心臓病の外科的手術数が全国2位(関東1位)になった川崎幸病院(川崎市)は、コロナの状況下でも2019年から手術数を伸ばしている。手術数が増えた理由と、コロナ禍の変化について、同院循環器内科主任部長の桃原哲也医師に聞いた。
【ランキング】2020年の「肺がん」に対する放射線治療の新規患者数が多い病院
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2020年の心臓手術数と心カテーテル治療数の全国ランキングの上位を以下に示す(週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2022』)。2019年の手術数も併記。
心臓手術数
1位 国立循環器病研究センター 2020年:928件(2019年:914件)
2位 川崎幸病院 2020年:914件(2019年:790件)
3位 榊原記念病院 2020年:767件(2019年:836件)
心カテーテル治療数
1位 千葉西総合病院 2020年:3226件(2019年:3106件)
2位 札幌心臓血管クリニック 2020年:2578件(2019年:2663件)
3位 小倉記念病院 2020年:1570件(2019年:1809件)
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13位 川崎幸病院 治療数 2020年:905件(2019年:667件)
川崎幸病院では、心臓病の外科的手術数が2019年に790件、2020年には914件で伸び率116%、心カテーテル治療数は2019年に667件、2020年には905件で伸び率136%だった。
川崎幸病院では、コロナ禍であっても従来通り、急患や重症の病気に対する治療や手術である急性期医療を継続するという方針を決定した。2020年4~5月、第1波と呼ばれる時期にはERではコロナ患者を受け入れ、その後の感染拡大に伴い、駐車場にプレハブの建物をつくりコロナ患者の対応をおこなったが、通常医療を継続するという方針は変わらなかった。