5月15日には、東京・南青山「ブルーノート 東京」でのライブが控える(写真=事務所提供)
5月15日には、東京・南青山「ブルーノート 東京」でのライブが控える(写真=事務所提供)

 そんな熱心なファンに惜しまれながら、2015年2月、「白夜の誓い/PHOENIX 宝塚!!」東京公演千秋楽をもって、宝塚を退団した。音楽学校時代から合わせると、17年間の宝塚生活だった。

「悔いはなかったですね。まだ早いと言われたりもしましたけど、宝塚歌劇100周年のトップも務めて終えることができました。いろいろな人に祝福され、惜しまれて辞めたいと思っていたので、いいタイミングだったと思います」

 退団後は、舞台やドラマ、映画と幅を広げて活躍している。

 昨年12月に亡くなった神田沙也加さんともミュージカル「1789―バスティーユの恋人たち」で共演した。

「沙也加さんは、すごく役に没頭する人でした。純粋で一直線に考える人。私に作品の演出に関する感情をぶつけてきたこともあって、共感できるところが多かったですね。舞台が終わってからも、私の舞台を見に来てくれたし、私も沙也加さんの舞台を見に行ったりと、交流がありました。時々はメールもしていましたから、一時は考え込んでしまいましたね」

昨年は米倉涼子主演の人気ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系)にも出演した。

「私は大門未知子の大ファンで、全シーズンを録画して、何回も見ているので、どんな手術をしたかも全部覚えています。米倉さんと2人でお芝居するシーンがあったんですけど、とても楽しかったですね」

 最後に、自身の恋愛観についても聞いてみた。多忙な日々のなかで、共演者と恋に落ちたりすることはあるのだろうか。

「全くないです。夫婦役や恋人役を演じていても、実際にそういう関係になるのは、私は好きじゃないんです。演者として、その男性だけを見ているようでは芝居は伝わらないですし、どこかで冷静でなければいけないと思っています。もうすぐ40歳になりますけど、だから、いまだに独身なんでしょうね。事務所の社長からも、ファンの方からも心配されています(笑)。結婚は、良いご縁があったらとしたいと思いますけどね。気遣いのできる人がいいです。私は舞台で演じているときは周りが見えないくらい没頭してしまうので、それを理解してくれる人がいいですね」

 元宝塚トップスターだけが持つカリスマ性を武器に、より多くの人を魅了する役者になっていきそうだ。(AERA dot.編集部・上田耕司)

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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