安浪京子さん(撮影/掛祥葉子)
安浪京子さん(撮影/掛祥葉子)

■基本問題こそ、先生に聞きに行かせる

 また、私の授業では、いきなり大問を扱うことはありません(入試直前期の過去問見直しは別)。

 なぜなら、大問はメインディッシュであり、解くのにエネルギーと根気を要するからです。朝起きていきなりステーキを食べられないのと同じく、授業でもまずは子どもの頭を算数モードに慣らしていくために、軽めのものから始めます。

 また、授業にうかがうと、「この問題がどうしてもわからない」とテキストにある発展問題を広げる子も多いですが、その問題を解くための基礎理解ができているかをひとつずつ確認し、基本問題の確認のみで終わることも往々にしてあります。

 バタ足ができない子に、いきなりクロールそのものを教えたりはしませんよね。勉強も同じです。

 そういう意味で、塾のいわゆる「質問教室」は使い方を考える必要があります。塾講師をしていた時、子どもたちが聞きに来るのはおしなべて応用問題や発展問題でした。

 基本問題は何とかなると思っているのか、はたまた聞くのが恥ずかしいのかもしれませんが、先生に質問に行くべきは「基本問題でわからないもの」。こちらを優先するだけで理解度が大きく前進します。

※『親がやるべき受験サポート』(朝日新聞出版)から

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