「アシックス社はシューズ関連では日本を代表するメーカー。野球ギアに関して以前は米国ローリングス社のライセンシーとして販売していましたが、自社ブランドのアシックス・ベースボールを立ち上げた。野球用具のパイ拡大のために知名度のあるスター選手との契約を進めています。今ではダルビッシュ有(パドレス)と大谷がメーカーの顔です。かなりの額で契約を結んだことが予想できます」(大手広告代理店関係者)

 選手モデルが脚光を浴びたのは1980年代から。先駆けは巨人に出現したゴールデンルーキー・原辰徳(現巨人監督)モデルをミズノ社が発売したことだった。当時、ミズノ社のギアにはロゴが付ており、硬式用が赤カップ、軟式用が青カップで区別されていた。プロのノウハウを軟式用に落とし込んだ青カップ・シリーズのプロモデルも人気となった。原以外にも各球団の契約選手モデルが発売され人気商品となった。

「選手モデルは特に少年野球をしている子供たちの間で人気を誇りました。各球団の契約選手モデルが発売されましたが、中でも爆発的人気を誇ったのが原モデル。バット、グローブ、手袋が飛ぶように売れました。その後もギアのデザインを変更するたびに原モデルも発売されました」(野球用具専門店関係者)

「赤カップ、青カップのロゴが元々デザイン性に優れていたのも良かった。数年前にショップの別注で復刻された際には即完売、ネット上で高値がついています。また軟式用グローブに赤カップをつけた企画版も発売されこちらも完売。現役プロ選手が自主トレなどで赤カップのグローブを使用したこともあったほどです」(大手広告代理店関係者)

 選手自身がカリスマ性を持っていることで用具に興味が高まる。加えて商品自身の品質、デザイン製も重要だ。この2つが噛み合った時に爆発的な売れ行きを記録する選手モデルのギアが誕生する。ミズノ社を業界屈指の成功企業に押し上げた原モデルの成功例はいまだ語り継がれる。大谷モデルも同じくその可能性を秘めているという。

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今後人気が出そうな〇〇モデル