DeNAの牧秀悟は、新型コロナウイルスの陽性判定を受け、戦線から一時離脱していたが、4月26日に2試合連続となる5号を放ち、5月4日に6号、5日に7号と2日連続の3ラン。特に5日は同期のドラフト1位・入江大生にプロ初勝利をプレゼントした。昨季、長嶋茂雄・石毛宏典(西武)、清原和博(西武)以来、史上4人目の「新人打率3割 20 本塁打」をマークしたが、「2年目のジンクス」に陥ることなく順調な打撃内容を披露している。

 一方、「投高打低」のパ・リーグはどうか。DH制で投手が打席に立たないのに、日本ハムオリックスを除く4球団のチーム防御率は2点台となっている。

 2021年の本塁打王に輝いたオリックスの杉本裕太郎は、不振が続いた後、コロナ感染により1軍登録を抹消された。代わりに2年連続の首位打者・吉田正尚が4番を務めた。4月30日の1試合2発は「さすが吉田」と感じさせた。球を破壊するような打球音からも分かるようにスイングスピードの速さは相当なものがある。その吉田も9日に新型コロナウイルスの陽性判定を受け離脱している。

 高卒4年目のロッテの山口航輝は、4月22日に初めて4番に座り、2号を放った。高めのボール球を豪快にバックスクリーンにぶち込んだ。21年のロッテはチーム打率リーグが5位ながら、断トツの107盗塁がリーグ1位の得点数につながり、順位は2位だった。今年も石川歩や佐々木ら投手陣は好調だが、レアードやマーティンが本調子でなくチームは低迷するだけに山口の一発は魅力である。

 楽天の島内宏明は昨季、21本塁打を放ち、本来の勝負強さを発揮して初の打点王に輝いた。ウィットに富んだコメントも人気でファンも多い。昨季途中から4番を任され、今季も全試合で4番に座っている。5月4日、2点タイムリーの二塁打で、涌井秀章に先発通算150勝をプレゼント。8日は延長10回に決勝点となる2号本塁打を放ち、チームは球団記録を更新する10連勝を達成。昨年も涌井、岸孝之、田中将大、則本昂大、早川隆久、松井裕樹の強力投手陣を擁して優勝候補の大本命だっただけに、西川遥輝、浅村栄斗、島内ら打線の援護で楽天は今季こそ9年ぶりの優勝を狙う。

次のページ