帝京高出身でプロ11年目の日本ハムの松本剛は4月12日に4番に入り、先制打を含む今季2度目の猛打賞を決めた。本塁打はゼロながら打率はリーグトップという異色の4番打者だ。21歳の若き4番、野村佑希は28 日に2号を放った。大学、社会人を経由して2年目の今川優馬は5月1日に6号。清宮幸太郎は5日、プロ5年目で初の1試合2本塁打を放った。「日替わり4番」は過渡期のチーム状況を象徴している。35試合を消化してチーム防御率4.15はリーグ最下位だが、本塁打32本は断トツだ。
西武の山川は右太もも裏肉離れで約3週間離脱した。しかし、4月19日に復帰すると、22日に復帰後初本塁打を放ち、その後も好調を維持。5月3日にはパ・リーグ一番乗りとなる10号を放った。この時点で10本中7本が決勝打で、本人いわく「お尻の位置を決める」新打法がしっくりきているようだ。18年は47本、19年は43本で2年連続本塁打王に輝いたが、20年からは2年連続で24本と減少した。今季はオリックスとロッテがチーム本塁打11本のところ、西武は山川ひとりで14本。3年ぶりのキング奪回どころか三冠王も狙える勢いだ。
広島(マクブルーム)、中日(ビシエド)、ソフトバンク(グラシアル)は4番に外国人選手が座る。彼らの座を脅かす日本人選手の出現はチームの上昇につながるかもしれない。いずれにせよ4番の打棒はファンの注目を集めるのだ。(新條雅紀)