「頑固なほうなんで、これまでならイラッとして、自分の案を押し切ったと思います。でも家族が嫌なら『みんなのパワースポット』ではないよねって。ゴールを思うと軌道修正できました」

 やり直しにはなったけど、この会話をきっかけに真ん中の子は1階にあった学習机は2階でよいと言い、上の子は学習机はいらないとわかり、家族の実態にあった第3のアイデアが出たとか。

 45日間で、リビングで読み散らかされていた漫画は、一軍だけ置かれすっきり。子どもは自分でもとに戻します。収納は、戸建の理想の6割収納をキープできています。

 下の子は、寝る前片づけるお母さんを見て、おもちゃを自分で片づける習慣ができました。自分だけ頑張らなくても家が整い、家事はルーティンで回っている。負担が減ると子どもとの関係も変わっていきました。

棚はあるのに収納方法がわからず床置きも/ビフォー
棚はあるのに収納方法がわからず床置きも/ビフォー
子どもたちのおもちゃを展示するスペースに。床も棚も余白が十分/アフター
子どもたちのおもちゃを展示するスペースに。床も棚も余白が十分/アフター

「ありのままを受け止められるというか。前に下の子も少しネガティブになった時期があったんですが、『勉強イヤや』ってときは『そうは言うけどね』と言い聞かせていました。でも今は『そうやんな、体育と図工だけやったらいいのにな~』とか『足し算できるのに何回もやりたくないやんな』とか、余裕がある感じです」

 真ん中の子はどうでしょう。

「お母さんお仕事何してるの?今日はお仕事どうだった?とか、今まで聞かなかったようなことも聞いてくれます」

 子どももありのまま、気楽になんでも話せるようになったみたい。

 たまに子どもが「うーん学校無理かも」という日は「いいよ、いいよ」と受け止めたり、頑張って登校したときに「楽しかった」と帰って来てホッとしたり。いいとき、悪いとき、ゆらぎを見守りながら過ごせています。

 彼女の作業部屋には、おもちゃを飾った見せるタイプの収納があり、そこには余白がたっぷりありました。余分な物をそぎ落としたら、もう、人生は大丈夫だと思えた。

「時短勤務が解除になる前にリセットできてよかった」

 心にゆとりを持って仕事も前進。人生の仕切り直しをやり終えた彼女を頼もしく思いました。 

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