感情も、空間も、時間の使い方もまるごとリセットした45日間でした。
プロジェクトのはじめは、朝10分片づける”朝活”で、不用品を前に「本当に未来に持っていきたいか」自問自答をくり返します。彼女は長い間、床の間に鎮座していた、巨大ぬいぐるみが手放せました。結婚式ではゲストを迎えた思い出の品です。
「未来に必要かと聞かれたら、なくても思い出は消えないと思えて」
これが処分できたのなら、もっと減らせると思えました。
時間を決めて片づけるうちに決断力もついた。朝活では「その日のゴールを決めよう」と私が言うので、なんとなく手をつけてはダメなんだと10分でできることに集中。
すると、普段の家事もなんとなくしていたと気づいたとか。さっそく朝は10分で前の晩干した洗濯物を畳んでしまい、食洗機にある食器を片づけることを徹底。家事をルーティンにする課題では、ほかのあらゆる家事が、考えなくても回る決めごとを作りました。
家をパワースポットにしたい。どう暮らしたいのか見えてきました。自分も家族も安心できる心地いい部屋とは?
それを見つけるのが動線検証です。あちこちを散らかす家族の生活動線を観察し、どこに収納をつくったら無理なく片づけられるか検証します。家族との調和が必要な課題です。
はじめからうまくはいきませんでした。
「夫は『お母さん、片づけに取りつかれているから』って人ごとで。大量に物を処分して不審だったみたい」
軽くあつかわれてショック。本気度が伝わっていなかったと察し「そういう言う方はやめてほしい」と、本気なことを宣言します。影響された夫は、漫画本の整理を集中してやってくれました。
あやうく家族とぶつかりそうになるときも。
完璧だと思って作ったランドセル置き場が、夫は前のほうがいいと言うのです。動線もしっかり見極めたはずなのに。