5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。
* * *
case.22 収納にも親子関係にも余裕ができた
夫+子ども3人/会社員
「真ん中の子が、小学4年の2学期から体調を崩して登校できなくなって。原因は学校のストレスでした。うちの子に起きたことがショックで、そのときは受けとめきれなかった」
不登校のきっかけを振り返るのは、時短勤務で働く3人の子どものお母さん。子どもを気づかい、彼女は仕事と家事の傍ら、検査入院など療養を優先しました。体がよくなれば学校へ行けるだろうと願いながら。
「年が明けて回復はしたけど、パワーが十分じゃなくて。学校へ行く怖さや、周囲の目を気にして不安だったんです。でも、私は『もう行けるんじゃないの?』と思ってしまった」
親として言って聞かせなければと、言い方がきつくなることも。暗中模索でした。
視点が変わったのは、不登校の事例が書かれた書籍と出会ったとき。親の不安とか、焦りみたいな感情が子どもに伝わっているのだろうかと、自身に目を向けはじめた。
これまで家事に仕事に追われて殺気立ち、とっつきにくかったはず。不用品だらけの部屋でイライラ。SNSのミニマリストさんの部屋にあこがれ片づけはじめた。
子どもも少しずつ前進していました。5年生の1学期からは放課後登校、2学期からは週2~3回のペースで登校。
SNSを参考にして部屋はある程度はキレイになった。だけど決定打のようなものがつかめない。「自分はどう暮らしたいんだろう」。迷いが生まれた。
そんな時、家庭力アッププロジェクトを知りました。ふたをしてきた、どう生きていきたいのかを考える機会だと思った。やるなら会社のルールで時短勤務が使えなくなる今年度中がいい。45日間で道しるべを見つけようと参加したのです。
そして、子どもは5年生3学期には安定して登校するようになりました。
「冬休みを挟んだので、年明けに学校へ行けるかな、どうかな、と思っていたら、行くと言って。不用品がだいぶすっきりした年末には、私は片づけで頭がいっぱい。だから、学校へ行く、行かないに執着していませんでした。3月はほぼ出席です」