さらに、今後の捜査と、返還の見込みについて、

「田口容疑者は4630万円の大半を使ったとのことだが、インターネットカジノの口座などにポイントなどとして換金できる状態で残っている可能性もある。田口容疑者が不当利得としてからインターネットカジノ業者に流れたことが立証できれば、回収見込みの可能性がゼロというわけではないと思う」

 との見方を示した。

 一方で、ミスをした町の職員についても、賠償責任を負うことや、町民が、民事提訴するということも考えられると説明する。

 こんな事例もある。2020年、兵庫県の職員が県庁の貯水槽の排水弁を約1カ月間閉め忘れた結果、水道代が約600万円と巨額のものになった。男性職員は訓告処分を受け、半額の約300万円の弁済を請求され、支払った。

 落合弁護士は、

「地方自治法では、故意や重い過失がある場合、職員に損害賠償を請求できる規定がある。4630万円全額が戻らず、職員の間違った振り込み指示が重過失となれば、職員への賠償請求、責任追及もありうる」

 と話している。

(AERAdot. 編集部・今西憲之) 

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