
「田口容疑者は、1回の出金での最高額は400万円。一日で8回出金していた日もあった。それらの操作は、すべてスマートフォンでインターネットバンキングを使ったと言っている」「主な振込先は日本国内の三つの会社、決済代行会社のようだ。本人は、インターネットカジノに使ったと話している」(田口容疑者の弁護士)
町によれば、田口容疑者は、山口県の別の場所から県内移住者として2020年10月に町内に移住。隣接する山口県萩市のホームセンターで仕事をしていたが、入金ミス騒動が大きく報道されると、田口容疑者は、「あれは自分です。カネが入ってしまい騒動になっているので、辞めます」と言って、退職したという。
一方、阿武町の花田憲彦町長は、田口容疑者の逮捕を受けて、
「インターネットカジノにすべて使ったと報じられているが、にわかに信じられない」「逮捕はお金を取り戻す一つの足掛かり」
と話した。
町の関係者がこう話す。
「田口容疑者は、長髪で、ラフな格好で仕事にいっていた。普段は気さくでいい青年のように思えた。一気にとんでもないお金が振り込まれて、何かがおかしくなってしまったのか」
田口容疑者が生まれ育った、山口県内の実家の近くに住む幼なじみは、少し見方が違う。
「中学生くらいになると、『悪さ』もしていましたよ。高校卒業後は、土木工事の仕事をしていました。パチンコの毎日で、給料をもらうと1週間ほどで大半を使ってしまっていた。給料前には、カネがない、カネがほしいとこぼしていました。小学校の卒業アルバムでも、地球最後の日がきたら、という質問に『持ち金を使い果たす』と書いていたほどです。そんなだったから、田舎にいってホームセンターの正社員で仕事していると聞いて驚いた」
警察の取り調べでは、素直に認めているという田口容疑者。すぐに返していれば、大騒動になることはなかったわけだが、町のミスが大きな原因でもあり、その後の対応にも問題はなかったのだろうか。