あなたは学校の制服について、どんな意見をお持ちだろうか? AERA dot.とYahoo!ニュースは、中高生の子どもを持つ保護者を対象に、「生徒の制服」についての共同アンケートを実施し、2000人から回答を得た。その結果を『学校制服とは何か』(朝日新書)の著者で教育ジャーナリストの小林哲夫さんと読み解いた。後編は、制服か私服かをめぐる、保護者のホンネを紹介する。<前編・「女子生徒のスラックス制服、「抵抗なし」が6割超 中高生の保護者2000人アンケート」から続く>
(調査は3月24、25日に実施。対象は中学高校生の保護者でYahoo!クラウドソーシングユーザー2000人。男女比はおおむね6対4、年代は30代が16%、40代が49%、50代が24%。子どもが通う学校の種別は公立75%、私立20%、国立6%)
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■「着ていく服が指定されているのは楽チン」
かつて、制服は学校への帰属意識を高める管理教育の象徴だった。しかし、1980年代以降、「ダサい」制服は、「かわいい」「カッコいい」制服にモデルチェンジが進み、生徒側の「管理される」という意識は希薄になった。「制服を着崩して着用する生徒は減り、真面目に制服を着る生徒が増えた」と、小林さんは指摘する。
中高生の保護者2000人に、生徒の性別を問わず、中学・高校で制服は必要かをたずねた結果、「必要」54.2%、「不要」10.8%、「どちらともいえない」が35.0%だった。
「制服は必要」派が挙げた理由で多かったのは、「着ていく服が指定されているのは楽チン」(愛知・中2男子母)というコメントだ。保護者にとって、学校が生徒の服装を管理してくれるのは「楽」なのだ。
「私服は毎日選ぶのが大変」(奈良・中1女子母)
「私服だとお金がかかるし、センスが悪いとバカにされそう」(福岡・中1女子母)
「私服だと家庭のお財布事情が丸わかりになってしまう」(山口・高2男子母)
「私服にすると毎日登校の服装を気にしないといけなくなり、服装による差別やいじめに発展しそう」(福岡・中2男子父)