エースの増田壮(2年)はスピードこそ130キロ台中盤ながら内角を思い切って突くことができるコントロールと、落差の大きいカーブが武器で粘り強い投球が持ち味。同じ2年生の今仲巧、3年生の近藤拓海は右の本格派で、ともに140キロを超えるスピードを誇る。春の決勝もこの3人の継投で大阪桐蔭の強力打線を3点に抑え込んでおり、しっかりと力を発揮することができれば、ある程度失点は計算できるという自信にもなったはずだ。

 また、2018年にはそれまで全く投げていなかった浜内太陽(現筑波大)が先発して好投しているだけに、春には隠していた秘密兵器が出てくることも十分に考えられる。野手はプロのスカウトも注目する強打のショートである光弘帆高(3年)が中心。この春も大阪桐蔭の超高校級サウスポー、前田悠伍(2年)から先制のタイムリースリーベースを放っている。決勝戦では不発だった4番の橘高純平(3年)が調子を上げてくれば、さらなる得点力アップも期待できるだろう。

 履正社に続く存在となるのがセンバツ出場を果たした金光大阪だ。センバツでも好投したエースの古川温生(3年)は小柄ながら安定感は抜群で、1試合を投げ切るスタミナも申し分ない。同校OBである吉見一起臨時コーチ(元中日)の指導もあって、秋から春にかけて急成長したが、夏に向けてさらにスピードを上げてくれば大阪桐蔭にとっては脅威となるはずだ。

 打線も長打力はそれほどでもないが、足を使った攻撃で手堅く1点をとることができる。2007年には中田翔巨人)を擁したチームを大阪大会の決勝で破っており、その再現も決して夢物語ではないだろう。その他でも好投手を擁する東海大大阪仰星と大阪電通大高、春の大阪府大会で準決勝に進出して古豪復活の期待がかかる上宮、昨年秋に大阪桐蔭と1点差の接戦を演じた東大阪大柏原、毎年しっかりチームを仕上げてくる近大付などもダークホース的な存在となりそうだ。

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地方大会が一番の“難所”に?