スポーツ選手がチームと高額な契約を結ぶことが度々ニュースとなるが、チームとの契約はお金だけにとどまらない。特に“契約”が日本よりもモノを言う外国では選手やチームは契約の際に、バラエティに富んだ条項などを盛り込むことも少なくない。そこで今回は選手たちとチームの間に成立した“風変わりな”契約にまつわるエピソードを紹介したい。
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■マーク・マグワイア(野球)
最高のタイミングでユニークな契約を結んだのが、日本でも有名なメジャーの大砲マーク・マグワイアだ。アスレチックスで2度のホームラン王になるなど活躍し、1997年途中にカージナルスに移籍したマグワイアは翌1998年に「観客の数」に応じてボーナスを受け取る契約を結んだ。するとその年、当時カブスでプレーしていたサミー・ソーサとのシーズン本塁打記録をかけた争いが大いに盛り上がったのは日本のファンもご存知のとおり。球場には多くのファンが詰めかけ、ロジャー・マリスの持つシーズン本塁打記録(当時)を抜くとともに、この状況を予期していたかのような契約内容でボーナスも手にしている。
■ロリー・フィンガーズ(野球)
契約とまではいかないが、オーナーからのボーナス欲しさに行った行為が“トレードマーク”にまでなったのが、メジャー屈指のクローザー、ロリー・フィンガーズ。当時アスレチックスのオーナーだったチャーリー・フィンリー氏は、1972年に髭を生やしてプレーするレジー・ジャクソンを見て、「これはファンを呼ぶためにいいかもしれない」と閃いた。すると、他の選手たちにも髭を生やせば300ドルというボーナスを提示。それに釣られて髭を生やすようになった一人がフィンガーズだった。フィンガーズは他の選手との違いを出すため“カイゼル髭”を蓄え、それがのちに自身の代名詞となった。その後、フィンガーズはチームとの間に髭を整えるワックス代として100ドルを受け取る条項を契約に盛り込んでいる。