コラムのような文章と、実際に映像の中でしゃべることとは、また違う価値があるのかもしれないが、共通しているのは、どうやって野球の魅力を伝えるかということ。全国での野球教室も少なくなってきている中、少年少女を中心に「野球」というスポーツをよりおもしろく、より深く伝えていけることは、野球を未来につなげていくことだと考えている。
今年も5月24日から交流戦が始まる。昨年もオリックスがここで勢いをつかんで、リーグ優勝をもぎとった。ここまで下位に沈んでいるチームも、大きくチームを転換させる機会でもある。個人的には、今セ・リーグの本塁打、打点のタイトル争いへ好スタートを切っている巨人の岡本和真、ヤクルトの村上宗隆、DeNAの牧秀悟あたりが、データの少ないパ・リーグの投手相手にしっかりと実力を発揮できるか。さらにロッテの佐々木朗希投手がそういったセ・リーグを代表する打者をどう抑え込んでいくか。個の戦いにも注目していきたい。
東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝
※週刊朝日 2022年6月3日号