鳶巣:がんを経験された方、がんの患者さんをご家族に持つすべての方に向けて私がいつも感じていることは、「ある日突然、よくない病気を伝えられた時に、慌ててうろたえることがないような基礎を作っておくことが大事」ということです。
生きている限りいつ、何が起こるかわかりません。とんでもなく悪いことも、生きていれば起こる。でも、それはそれで仕方がないこともあると、「あきらめに似たような覚悟」が心の中に、根底に必要だろうと思います。
また、これは健康な人にも言えることですが、自分のものの考えを整理するために、自分の今の生活や人生、これからの人生に向けて「一番大事にしたいことは何か」をときどき点検する作業が必要だと思います。
「一番大事にしたいこと」を、座標軸の原点に置くような形で考える癖をつけておくと、とてつもなく悪いニュースがやってきたときに慌てません。自分で自分の選択ができると思います。
編集長:日ごろの準備が大事だということですね。よくわかりました。今日は貴重なお時間をありがとうございました。
(構成・狩生聖子)
※週刊朝日MOOK「手術数でわかる いい病院」創刊20年記念セミナー「医師が本音でトーク“いい治療”は病院選びで決まる!」の第3部を要約