
ペットはもはや大事な家族。読者とペットの愛おしい日常のひとコマをお届けします。今回の主役は、犬のラッキーちゃんです。
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近くに住んでいた実父母の家で3代目の老犬が亡くなった数カ月後、当時82歳だった父が一人でペットショップに行き、犬を購入してきました。「世話する人間が高齢なんだからもう無理」と、あれほど周囲が言っていたにもかかわらずです。
その父は、3年前に91歳10カ月で大往生。父の形見として私にバトンタッチされたのが愛犬ラッキー(雄、13歳)です。
暗い話になりますが、6年間で身内4人が亡くなったわが家──。6年前まではみんな健康で病気知らずの自慢の家族でした。
それが、主人を亡くして1年後には父も亡くし、独り暮らしの私が犬と同居するという、考えてもいなかったことが現実になるとは。
ラッキーが来てからは、生活スタイルも一変し、夜型から朝型へ。朝の散歩から一日がスタートします。
豪雪で有名な土地なので、吹雪の日の散歩は大変です。私は気が進まないのですが、ラッキーはへっちゃら。家の中では絶対に用を足しません。
でも、そのラッキーが2年前の右目に続き、とうとう昨年の11月に左目も失明。耳も遠くなり、ヨタヨタ歩きの散歩になってしまいました。
つい最近まで広い河原で駆けっこや隠れんぼをして元気に遊んでいた様子が、走馬灯のように思い出されます。
ひとり身の高齢者がペットを飼うのは本当に大変です。どちらも病気などしていられません。亡き父を恨みたくもなりますが、ラッキーがいてくれるからこそ私もこうして元気で店に立っていられる幸せがあります。
これからも、雨にも風にも雪にも負けず頑張って散歩しようね。(山形県大石田町/69歳/自営業)
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※週刊朝日 2022年6月3日号