自分自身の体調の変化を把握するため、天気と体調を関連づけて日記のように記録しておくことも有効だという。
「自分の体調が天気とリンクしていることがわかってくることで、この先の天気の変化で自分の体調が崩れそうなタイミングが把握できるようになります。その記録があることで、病院、クリニックでも適切に対応してもらいやすくなります」
佐藤医師は、気象情報会社ウェザーニューズと共同で、スマホアプリ「ウェザーニュース」内のサービス「天気痛予報」を開発した。自分の住む地域の気圧の変化や警戒すべき時間帯を3時間ごとにチェックできるため、「天気痛」に事前に備えやすくなる。
「自分の生活の中に天気予報や注意ツールを取り入れて、先取りで対応していくことをおすすめします。また、好天の日に体調が良いからといって活動しすぎると、天気が崩れたときに反動でかえって動けなくなってしまう『リバウンド現象』もあるので、気を付けてください」
前出の市販薬なども必要に応じて活用していきたいところだが、自分の体調をしっかり把握し、適切なタイミングで適量を飲むことを心がけたい。
「症状が出始めたと感じたときに、なるべく早めに飲んでいただくことをおすすめします。ただし、症状がない状態で、『予防のために』飲むことは、避けていただきたいです」(前出の小林製薬・井上さん)
テイラックと他の頭痛薬との併用は、いずれも医薬品どうしなので避けてほしいとのことだ。
「まずは普段から規則正しい生活を心がけることが基本。自律神経を整えるためにも朝食はしっかりとって、バランスの良い食事を心がけてください。また、適度な運動や入浴も血行の促進につながるため、有効な対処法と言えます」(同)
3日に1度は雨という“低気圧大国”日本。まずは、普段の備えを万全にしておきたい。低気圧に悩めるみなさま、ご自愛ください。(本誌・太田サトル)
※週刊朝日 2022年6月10日号