昼間の頻尿は、遠出や旅行ができない、人と会食していてもトイレのことばかり心配しているなどで、活動を制限してしまうことになり、夜間頻尿は、何度も睡眠をさまたげられるため、睡眠の質が低下し、疲れが取れない、頭がすっきりしない、昼間でも眠いなどの状態に陥りやすくなる。
頻尿は加齢による過活動膀胱や前立腺肥大症などの疾患が原因となることが多い。しかし、1日の水や塩分、アルコールの摂取量、運動量などを見直すことで、トイレの回数を減らせることがわかっている。ポイントを紹介しよう。
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頻尿は昼間に8回以上行く場合、夜間頻尿は就寝中に1回以上行く場合と定義されている。しかし、夜、1回トイレに起きるという人は少なくない。そのため、臨床の場では、2回以上を夜間頻尿とすることが多い。
頻尿は加齢による膀胱などの機能の低下、過活動膀胱、前立腺肥大症、生活習慣など、いくつもの誘因が重なり合って起こる。なかでも生活習慣は影響が大きい。そのため、水の飲み方や食事、運動などを見直すことで、頻尿を改善できたというケースは少なくない。
まず、「排尿日誌」をつけてみよう。これは本来、水分摂取(お茶やコーヒー、アルコールなどを含む)の時間と量、排尿時刻と尿量(1回ごと)を記入するものだが、受診前でも、簡易的なものでいいので記入すると、セルフチェックに役立つ。飲んだ水分の量と時間、排尿の時間と経験的に感じた尿量の多少を記入するところから始めてみる。
■水の飲み方やむくみ予防で改善
排尿日誌で自分の水分摂取状況や排尿の様子を客観的にとらえ、次のような生活習慣の見直しを実践していこう。
▼1日の水分摂取は1000~1500ccに
よく耳にするのは、「血液をさらさらにする」目的で、1日約2リットルの水を飲む、というものだ。しかし水分を多く摂取することと、血液さらさらとは関係ないことが医学的に明らかになっている。夏やスポーツのあとなど、汗を多くかいたときには脱水症予防のためにいつもより多めに飲水する必要があるが、それ以外はお茶なども含めて、水分摂取は1000~1500ccを目安にしよう。