夜間頻尿があるときは、特に夕方以降の水分摂取を減らすように心がける。
▼塩分は1日6グラム未満を目標に
塩分をとりすぎると、過剰になった体内のナトリウムを排出しようと水を多く飲むことになる。また、塩分摂取量と関係の深い高血圧も、頻尿の誘因となる。日ごろから薄味に慣れて、日本高血圧学会が推奨する1日6グラム未満を目指そう。
▼アルコール、カフェインはほどほどに。とる時間帯を考える
アルコール、カフェインには利尿作用があり、過剰に摂取すると尿量が増える。コーヒーや紅茶の量を減らす、夕食後のアルコールやカフェインを控えるなどで工夫する。
特に夜間頻尿では、アルコールによって眠りが浅くなることも影響するため、できればお酒は控えることが望ましい。
▼服薬中の薬を見直す
高血圧の治療薬では、排尿をうながす作用をもつものがある。服薬を中断するわけにはいかないが、服薬の仕方によっては夜間頻尿を改善できるという。山田泌尿器科クリニック院長の山田拓己医師はこう話す。
「高血圧治療によく用いられるカルシウム拮抗薬と利尿薬は、午前中に服薬することで、夜間、トイレに行く回数を減らせるケースがあります。かかりつけ医に相談して、服薬時間の変更を検討してみてください」
▼夕方のウォーキングで足のむくみをとる
夜間頻尿がある場合には、むくんだままの足で就寝すると、下半身にたまった水分が就寝中に血液中に戻り、余分な水分を排出しようとして尿が多くつくられ、トイレに起きることになる。桜十字病院泌尿器科医長の吉田正貴医師はこう話す。
「むくみの予防には、歩いてふくらはぎの筋肉のポンプ機能を動かし、下半身にたまった水分をめぐらせるのが効果的です。夕方のウォーキングでむくみを解消すると、トイレに起きる回数が減るケースが多くみられます」
また、弾性ストッキングを使うのも効果が見込める。
▼入浴は就寝4~5時間前に
入浴は全身の血流をよくして尿をつくりやすくするが、排尿までに4~5時間は必要になる。からだにたまった水分を排出してから就寝すると夜間にトイレに起きる回数を減らせることから、入浴は就寝前ではなく、夕方にすませよう。