シリアスな役からコミカルな役まで幅広くこなす演技派俳優・玉木宏さん。6月に公開される映画「極主夫道 ザ・シネマ」について、作家・林真理子さんが詳しく伺いました。
* * *
林:玉木さん、お久しぶりです。
玉木:ご無沙汰しております。
林:15年前と6年前と、今回で3度目のご登場ですけど、会うたびにどんどんビッグになられてますね。
玉木:いえいえ、そんなことはないです。
林:この何年かのご活躍、ほんとにすごいなと思って拝見してました。最初にお目にかかった15年前はイケメンの代表という感じでしたけど、そのあとどんどん演技派の道を歩まれて。どんな役でもこなしていらっしゃるし、今度の映画(「極主夫道 ザ・シネマ」6月3日公開)もそうですよね。「どうだ。何だってできちゃうぞ!」っていう感じで。
玉木:いやいや……。そんなに器用なほうではないので、準備にそれなりの時間を費やします……。でも、こうやって今までのパブリックイメージをこわすような役をいただけるのは、すごくありがたいです。似かよった役ばかりではなくて。
林:これはすごく人気があったテレビドラマの映画版なんですよね。
玉木:もともと原作は漫画(おおのこうすけ作)で、それが2年前テレビドラマになって、今回さらに映画化されたんです。
林:私、ドラマは通して見てないんですけど、今回は映画の分、テレビよりもスケールが大きくなってるんですね。
玉木:そうですね。アクションがわりと多めです。
林:主人公の龍(玉木さん)は元極道なんだけど、いまは妻と娘を愛する専業主夫ですよね。殺気は見せなきゃいけないし、優しさも見せなきゃいけないし、そのあたり演じていて難しくはなかったですか。
玉木:とらえ方によっては難しいと思いますけど、僕はシンプルに演じました。元極道で、見てくれだけはそのままだけど、内面は家族に愛情を持って真っ直ぐに生きている。でも周りが見た目からどんどん勘違いしていくという構造なので。