「少なくとも毎年数百人の学生が理解を深めて社会に出てくれる。『自分もはまるかもしれない』と無関係な問題ではないと気づくことも重要です」
旧統一協会については、こう話す。
「正体を隠した勧誘活動や財産の収奪などの反社会的活動をする点は十分にカルトの性質を備えています」
大きすぎるダメージに
カルト団体に悩んでいる人や「宗教2世」の苦しみに理解が広がり、相談窓口などが公的に整備されることは急務だ。同時に、問題が指摘されてきた団体と政治家の関係も見直すべき時だろう。日本維新の会の松井一郎代表は「信仰の自由はあるが、教団の教えに従って家庭が崩壊するのはおかしい」とし、所属議員と旧統一教会の関係性について聞き取り調査をするという。共産党の小池晃書記局長は「自民党との癒着、旧統一教会による政界工作の全容を解明することが必要だ。関係者の国会招致なども含めて求めていきたい」としている。
末松信介文部科学相は、旧統一教会の関係者2人が20~21年に政治資金パーティー券を購入していたことを明らかにし、
「やましいことは一切ない」
と述べた。
旧統一教会の友好団体である世界日報社から計3万円の寄付を受けていた国民民主党の玉木雄一郎代表は、
「自民党の元議員(故人)が主催する医療関係の勉強会に呼ばれて話をした際、出席者に世界日報の元社長がおられました。私自身は、旧統一教会等に加盟したこともイベント等に参加したこともありません」
とツイッターで釈明。これまで何らかのつながりがあった政治家が続々と出てきている。
紀藤弁護士はこう指摘する。
「国会内に特別委員会を設置するなど、本気でやらなければ、何年か後に同じことが起きる。それは、国として大きすぎるダメージとなることでしょう」
(編集部・古田真梨子)
※AERA 2022年8月1日号より抜粋