うつ病を克服し、偏差値29から東大に合格した杉山奈津子さんも、今や小学生の男の子の母。日々子育てに奮闘する中でとり入れている心理テクニックや教育方法をお届けします。今回は内申点について。杉山さん自身が心理カウンセラーとして学んできた学術的根拠も交えつつ語る『東大ママのラク&サボでも「できる子」になる育児法』も絶賛発売中です。ぜひご覧ください。
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昨年から塾を始め、高校受験をする生徒たちと1年間接したうえで、改めて考えさせられることがありました。公立高校の受験時に必要な「内申点」についてです。
現在、公立高校を受験するときには、多くの場合、内申点で高得点を取ることが合格に有利だとされています。しかし、そもそも中学時代の内申点を、高校受験に組み込むべきなのか、疑問に思うのです。
■客観的な評価なのか
一つ目の理由として、先生や学校によって点数の付け方が、かなり異なることがあげられます。内申点はゆらぎのある不安定なものであり、運の要素に左右されるため、平等であると断言するには難しいのではないでしょうか。
ある学校の生徒は、「定期テストを作る国語の先生が少々変わっていて、読解力より、やたら漢字ばかりを重視する」と言っていました。定期テストの点数がよくても、抜き打ち漢字テストの点数が悪いと、低い内申点をつけられてしまうとのこと。
そして学校内でも、点数が低い子の救済措置のために再テストをおこなってくれる先生と、断固として点数を変えない先生がいるのだとか。
これを聞いたとき、「そこまで先生の気分や性格によって点数が変わることがあるんだな」と驚きました。もう少し、教師の個人的な感情が加味されにくい、客観的な評価になるよう、考慮する必要があるのではないでしょうか。
二つ目の理由として、前述した通り先生により左右されるという性質から、高い内申点を取ることと、先生のご機嫌をとることが、イコールでつながってしまう可能性があるという点が挙げられます。高校受験の専門塾を経営している友人も、内申点を高めるポイントとして、「言ってしまえば、いかに先生に媚(こび)を売るかを教えるんだ」とボヤいていました。