ミュージカル「流星の音色」で初めて主演兼音楽を務める。新たな挑戦、ミュージカルと曲作りへの想いを語った。AERA 2022年8月1日号から。
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2015年、「エリザベート」のルドルフ役をオーディションで勝ち取ってから、精力的にミュージカルの舞台に立ってきた。8月2日に開幕する初恋と悲劇を描いたミュージカル「流星の音色」では、主演兼音楽を務める。
「リーパはピュアで儚くて、これまで演じてきた役の集大成のように思います」
舞台での最大の目標は、男女問わず観客に感情移入してもらうことだ。
「多くの人にキュンキュンしていただきたい。稽古をしていて、その目標に向かっていることをひしひしと感じています」
以前から自分で曲を作り、披露してきた。音楽はアイデンティティーでもある。その意欲が、劇中歌に結実した。
「ライブや番組の1コーナーで披露することが多かったので、まだ“京本大我の音楽”を知っている人は少ないかもしれません。『流星の音色』は僕の言葉のつむぎ方やメロディーをお届けできる機会でもあります。京本大我のクリエイティブの幅を知ってもらえたら、うれしいです」
SixTONESの活動や、出演した映画「TANG タング」のプロモーションと並行して、舞台の準備に大忙しだ。
「気付けば本番まであと少しで、考えただけで動悸(どうき)が止まらない」と苦笑し、ミュージカルへの想いを語った。
「毎回、ゴールテープをギリギリ切っている感覚です。今回もどんな状況に追い込まれるかわかりませんが、例えばここで挫折して『ミュージカルは当分いい』という気持ちになるとは思えない」
そう力強く言い切るには、理由がある。
「『モーツァルト!』も含め、挑戦したい作品がたくさんあります。この気持ちが消えない限り、どんなに苦しいことがあっても、もがき続けると思います」
そう、自分を信じている。
(ライター・小松香里)
※AERA 2022年8月1日号