そして、マリニンは4回転アクセルにも挑んでいる。今年5月、アメリカフィギュアスケート連盟のツイッターに、マリニンが練習中に4回転アクセルを着氷させる様子がアップされた。マリニンは4回転―4回転の連続ジャンプの成功にも意欲をみせており、前人未到の高難度ジャンプに取り組む気概を示している。

 今季はジュニアとシニアの掛け持ちで競技会に参加していたマリニンの滑りはまだ粗削りだが、プログラムの中で時折スター性をのぞかせる。手足が長いマリニンは体の線も美しく、ただジャンプに秀でるだけではない魅力的なスケーターに成長していく予感が漂う。

 マリニンがインスタグラムで名乗るユーザーネームは“quadg0d”。自らを“4回転の神”と称する強気な17歳が、今後男子シングルの台風の目となることは間違いない。(文・沢田聡子)

●沢田聡子/1972年、埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社に勤めながら、97年にライターとして活動を始める。2004年からフリー。シンクロナイズドスイミング、アイスホッケー、フィギュアスケート、ヨガ等を取材して雑誌やウェブに寄稿している。「SATOKO’s arena」

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