アイスダンスの村元哉中・高橋大輔ペアが競技続行を表明した。昨年12月の全日本選手権、今年1月の四大陸選手権、3月の世界選手権を経て、手応えを感じているという。AERA 2022年6月6日号から。
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――「超進化」の2季目。シングルで日本男子初となる五輪メダルを獲得した高橋大輔(36)と平昌五輪代表の村元哉中(29)が組んだ“かなだい”チームは、北京五輪出場を逃したものの、1月の四大陸選手権で日本歴代最高の銀メダルに輝いた。そして、初めての世界選手権でその存在感を見せつけた。
大会後、2人が語ったのは「世界と戦えるポテンシャルを持っている」(村元)、「なかなかシングルでは感じられない気持ちよさ」(高橋)という充実感。だが、高橋は「この先のスケジュールは決まっていない」と語り、“かなだい”の新シーズンの行方は見えなかった。そして、その答えが出た。
■気持ち変わらなかった
高橋:とりあえず2年、北京五輪のシーズンまでという目標を決めていました。次のことはある程度は自分の中で決めていたんですけど、そのままの流れで続けるのは嫌で。アイスショーの「スターズ・オン・アイス」が終わってから2週間ほど休んで、その間に考えました。僕も年齢的なこともあるので、軽い気持ちでこの競技を続けるのは簡単なことじゃない。2週間スケートから離れてみて、やっぱり気持ちが変わらなかった。それで、村元選手に「やります。続けます」と言いました。
村元:世界選手権が終わって、この“かなだい”というチームは世界と戦えると思えた2年間でした。1年目はコロナ禍もあって試合経験がない中でも、2年でここまでのことを成し遂げました。だからこそ来季、私はもうちょっと自分たちがどこまで行けるのか見てみたいなと思うぐらいの手応えがありました。だから、私は高橋選手には世界選手権の後に「あと1年やってみたい」と言って、答えを待っていました。大ちゃんの答えが聞けるまですごく長く感じたけど、やっと聞けてよかったです(笑)。
――短いようで濃厚な2年だった。これまでを振り返って、それぞれが一番印象に残っている試合はどれだったのだろう。
村元:私は1年目の全日本選手権です。クリス(・リード)とカップルを解散してから2年くらいブランクがあって、高橋選手に声をかけてチームを結成してもらって、久しぶりに全日本に戻ってきた。それも大ちゃんと、です。大会では試合直前にケガをするハプニングはありましたし、コロナ禍ですごい大変な1年目だったと思うんですけど、あれが私たちの始まりだと思うので、一番印象的でした。