一方、吉本興業に近い芸能関係者は「露出が減ったのは遠距離だけが原因ではない」と語る。

「M-1を制して東京進出した際、吉本は彼らを“第2のダウンタウン”にすべく、猛プッシュしていました。もちろん芸人としての技術も高かったのでレギュラー番組が急増しましたが、当時から女性ファンには全く刺さらなかったんです。全国区の番組において、女性視聴者からの支持がないというのはかなり不利でした。おまけに、メジャーになってから小杉さんはめきめきと太ってしまい、モテない男の反骨精神的なやっかみがウケていた吉田さんもいつのまにかさらっと結婚してしまい、その武器を使えなくなってしまった。全国区のバラエティーで勝負する段階になっても、女性にもウケる“ポップさ”を身にまとえなかったことが、第2のダウンタウン候補から遠ざかった要因でしょうね」

■お笑い以外の努力が足りなかった!?

 たしかに、大ブレークを果たした千鳥やかまいたちは、歯並びを直したり体重を絞るなど、笑い以外の努力も欠かず、東京進出後はビジュアル面でのアップデートにも成功している。それゆえ、女性ファンにも刺さり、全国区ブレークにつながったのだろう。

「ブラマヨは今でも面白いのですが、ただ面白さを追究するがあまり、笑い以外の努力を怠ってしまった。他の芸人の漫才もどんどん進化しているため、ブラマヨの漫才は今、そこまでの鮮度はない。一度は天下をとった2人ですが、本当にこのまま終わっていいのかと思います。今のままでも、NGKだけで生活できる漫才師にはなれると思いますが、誰もが認める“笑いの才能”を持て余したまま終わってほしくはないですね」(前出の芸能関係者)

 一方、お笑い評論家のラリー遠田氏は彼らのマイペースな活動を支持する。

「力強いボケとツッコミの掛け合いで構成された彼らの漫才の完成度は抜群に高く、芸人や業界関係者の中では、今でも2005年のM-1での漫才を『M-1史上最高傑作』と評する人は大勢います。コンビとしてはテレビタレントであることよりも漫才師であることを優先して今の形に落ち着いているわけですから、テレビに出る機会が減っているのは仕方がないことであり、本人たちも特に気にしていないのではないでしょうか」

 漫才師としての道を究めつつも、その才能をまたテレビでも見せてほしい。(藤原三星)

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